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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第11局  観戦記 >
黒 林 漢傑  七段   -   白 坂井 秀至  碁聖

 

思い出の地で

2011年3月31日

 「リン・カンケツ(林漢傑)」。響きのいい名前だ。漢(おとこ)の中の傑物。「名前負けしているといわれます」と語るが、そんなことはない。ワンチャンスをものにして名人戦リーグに入った勝負強さを師匠の林海峰名誉天元は高く評価する。棋道賞の新人賞が決まり、「まず1勝が目標」のリーグも2戦目で白星を挙げた。力が名前に追いつきつつあるのだ。

 ともに1勝1敗で迎えた第3ラウンドは林が関西に出向いて行われた。林にとって感慨深い対局だったと察する。台湾生まれの林、小学1年から4年の途中まで、お父さんの仕事の関係で家族で大阪に住み、関西棋院の院生だった。「ちっちゃくて、えらくかわいい子でしたよ」と、本局の解説をつとめる清成哲也九段。この話の続きはのちほど。

 さて盤上。林の黒5は左下の白が星ではなく4の小目でもおなじみになりつつある。黒13とカカり、白14のツケには黒15以下とナダれて、下辺に模様を張る狙いだ。黒5と左下の定石の組み合わせはリーグ第5局の張栩―羽根直樹戦でも現れた。白24までとなれば、白は右下にAとはカカりにくい。その分だけBよりも黒5がまさるとの判断だろう。

 「黒25はCと構えるのでしたか」と林。こういわせたのは坂井の白26の肩つきがぴったりした消しだったからだ。

   

(春秋子)

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