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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第17局  観戦記 >
黒 坂井 秀至  碁聖   -   白 趙 治勲  二十五世本因坊

 

悪い流れ

2011年5月12日

 「勝ち方を忘れた」

 坂井秀至は最近、棋士仲間に、こうもらしたという。入段以来、安定した成績をキープしてきたのに、今年はここまで2勝7敗と大きく負け越している。

 趙治勲も4勝6敗と調子はいまひとつ。名人戦リーグでも、いまだ勝ち星がない。

 坂井は悪い流れを変えようとしたのだろうか。黒5の高ガカリから7、9とナダれ、13とヒラいた構えは戦い志向。坂井にしては比較的珍しいという。

 解説は、瀬戸大樹七段。本因坊戦リーグに続いて棋聖戦リーグ入りも決め、関西棋院所属では唯一のダブルリーガーだ。

 「白14のカカリに黒16などと受けると、すぐに白Aと打ち込まれるのが厳しい。続いて黒Bに白Cとツケる進行を韓国の碁でよく見ます。白が戦えると思います」と瀬戸解説者。そこで黒は15と左下に戻した。

 白16のカケに対し、黒はDとツケコして戦うのも十分に考えられる。坂井は黒17の下ツケを選ぶ。白は30と軽く構えた。黒31のツケは、白32とツガせて相手の形を崩しつつ、黒Eの切りからワタる狙いを残した。

 左辺の黒の幅がいいので、直ちに白は34と打ち込んで行った。

 黒が35、37とツケ切ったところで趙の手が止まり、そのまま昼休憩になった。趙の髪の毛は、すでに炎のように逆立っている。

(内藤由起子)

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