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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第21局  観戦記 >
黒 結城 聡  天元   -   白 林 漢傑  七段

 

実利対勢力

2011年6月9日

 ゴールデンウイーク終盤のこどもの日。関西棋院の近くでは、毎年恒例の「中之島まつり」が催されている。

 棋士はふだん通り。祝日でも変わりなく、手合は組まれる。

 先に「吉祥の間」に入った林漢傑は、にぎわいが気になるのか窓の外を見やった。

 結城聡は初手からじっくりペースだ。黒3に10分も使い、「だめですね」とつぶやく。黒7にも10分、9に12分と惜しみなく時間を投じる。

 黒13までとなると、早くも黒の実利、白の勢力という構図が見えてきた。

 解説の横田茂昭九段は厚み派だ。「白18と三線に構えてバランスを取った手は、私ならAと高く構えるほうがふつうに思えます。18で白20と右辺を広げるのも魅力的です」

 黒は19と右辺に入った。白20のトビはこの一手だ。

 さて、黒はどう応じるか。黒21の二間に、横田解説者は首をかしげた。「気合が悪いですね。21は黒Bとケイマに受けたかった。白Cから符号順に黒Fまでとどんどん押され、白22ツメ、黒23に白Gと攻められる展開を嫌ったのでしょうが、白も地を与えてお互い怖い。黒Bと打てないようでは、黒19がどうだったか」

 昼食休憩を挟み、結城は32分をかけて黒23と大ゲイマに構える。白の攻めは、結城の予想以上に厳しかった。

(内藤由起子)

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