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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第23局  観戦記 >
黒 張 栩  棋聖   -   白 高尾 紳路  九段

 

脱落の局

2011年6月23日

 ともに名人位経験者で、今期名人戦リーグ序列第1位と2位の対戦。東京の日本棋院本院特別対局室「幽玄の間」で顔を合わせた2人に会話はもちろんない。重苦しい雰囲気のまま、対局開始の午前10時をむかえた。

 まさに重量級対決。しかし、重苦しく感じた理由はほかにもあった。高尾も張も、2勝2敗。この碁が終わったときかならずどちらかが3敗に後退する。3敗はほぼ挑戦をあきらめなければならないデッドラインだ。

 黒1、3から5と構えるのが最近の張のお気に入り。3月、井山裕太名人の挑戦を受けた十段戦第1局でも黒5までの布陣を選択。続いて白A、黒7、白8、黒Bと進んだ。この碁では黒9とハサんだものの、白10の三々入りを誘って外回りを目指す構想は、そのまま受け継いでいる。

 「黒19の一間は他に大きいところがないからこんなものでしょう。ここでフワリと右下に臨んだ白20が、理にかなった工夫でした」と解説の小松英樹九段。白20で平凡にCやDにカカっていく、いや、入っていくのがよくないことは記者にもわかるが、まさか五線に浮かせるとは。

 白20について高尾は「この変則カカリは、通常は受けられて損なのですが……」とブログで告白。まんざらでもない感触を得ていたようだ。みなさんは高尾の狙いを察知できるだろうか。

(松浦孝仁)

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