現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. 名人戦観戦記
  5. 記事

< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第25局  観戦記 >
黒 結城 聡  天元   -   白 溝上 知親  八段

 

解説者のこと

2011年7月7日

 挑戦者有力候補の結城聡とリーグ残留へ首筋の冷たい溝上知親の深刻な一戦は、石田章九段が解説する。

 石田にとって大変な1年だった。難病の大腿(だいたい)骨骨頭壊死を克服するため、医師から体質改善を命じられ、好きな酒を断ったという。そして2度の大手術とリハビリを経て、かつての歩行困難がうそのような健康体になった。7月からは1年ぶりに手合に復帰する。

 ある先輩棋士いわく「井山や張栩が枕を高くして眠られるのも石田が休場しているから」。これはオーバーなセリフとしても、名人戦リーグに連続6期在籍した実力者。もうひと花咲かせてもおかしくない62歳だ。

 盤上にご注目。なんともクラシックな立ち上がりである。オール小目のうえに左上の定石が珍しい。二間高バサミ全盛だった30年以上前にしばしば打たれたと記憶する。さっそく解説者の出番だ。

 「黒19を手抜きして黒22にシマったらとの感想はなるほどと思います。続いて白Aには黒Bと走ってどうということはありません。もっとも黒19、21と白二子を制し、黒Cを狙うのも魅力です」

 白22とカカられた場面。結城は不安がいっぱいだったと語る。白20までの壁が働くようではこまる。20分をかけて黒23とハサみ、ここまでが午前の部。白は普通の定石を選択しにくい。

(春秋子)

[次の譜へ]

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介