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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第26局  観戦記 >
黒 坂井 秀至  碁聖   -   白 高尾 紳路  九段

 

迷走の局

2011年7月14日

 こんなはずではなかったと、誰よりも坂井本人が一番強く思っているのではないか。今期の名人戦リーグは2勝4敗。今年この対局までの星取りは5勝10敗。いずれも負け越している。坂井になにが起こっているのか。

 坂井の碁は序盤が特におもしろい。白8に黒9と左下を構えて白10の封鎖を許したのは、まだ左上隅に手段が残っているから。黒11から15は趣向。黒11ではAが一般的だし、13のスベリを決めたのなら15ではBにヒラくのが定石だ。

 「黒15をBでは白にCと上辺を占められて不満とみたのでしょう。白Cは最後の大場、手止まりです」と解説の柳時熏九段。

 ただし、白16と挟撃されて黒の打ち方は難しい。続いて黒20と眼形を求めるのは白Dと封鎖されていけない。攻撃的姿勢だった黒15が逆に格好の標的になっている。また、黒Dも打ちづらい。白17、黒E、白Fを狙われる。

 柳「黒17とは工夫しました。ただ、気分的にはいま一つだったのでは。黒19に白20で右辺黒は眼形が薄く、重くなっていますから。それから19では黒20も考えられたと思います。白Gに黒Hと構えておく。実戦の19と構える作戦は、雄大ではあるのですが」

 黒は左下から下辺の幅で打つ作戦。これはこれで問題はない。この後の坂井の構想に解説者は賛成できないという。

(松浦孝仁)

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