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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第29局  観戦記 >
黒 高尾紳路  九段   -   白 山下敬吾  本因坊

 

生き残るのは

2011年8月4日

 7月7日、名人戦リーグセミファイナルラウンドが日本棋院東京本院で4局同時に打たれた。すべて挑戦や残留争いに関係のある重要対局。まずは1敗組の結城聡と羽根直樹を追う2敗同士の高尾紳路―山下敬吾戦から紹介しよう。一方が挑戦に生き残り、一方が脱落する急所の一番だ。

 クールビズなんて関係ないとばかりに両者スーツ姿。対局室の空調は28度に設定され、暑いと悲鳴をあげる棋士が多い中、高尾も山下も上着を脱ごうとはしなかった。暑さに強いタイプなのだろう。

 黒番高尾の道策流(最近はミニ中国流ともいう)に、すぐ白8と入ったのは山下らしい戦い指向だ。

 高尾は手を抜いて左上のカカリ。ここで関西棋院発の流行手、白12がとび出した。12が初めて打たれた10年ほど前は、腰が抜けたようなと評判は必ずしもよくなかったが、あっという間に中国や韓国に広がり、アマチュアもまねするようになった。新手に著作権があれば、考案者はひと財産築いたかもしれない。白18まで、辺を両方打って、足の早いのが自慢だ。解説は工藤紀夫九段。

 「19は私なら黒Aとトビます。白Bとつき合ってもらえるなら、黒19以下と運んで、AとBの交換が黒の働きになる。ただ高尾さんは黒Aに対して白24、黒C、白Bと急戦に巻き込まれるのを嫌ったのでしょう」

(春秋子)

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