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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦第33局  観戦記 >
黒 高尾 紳路  九段   -   白 林 漢傑  七段

 

出切らず

2011年8月31日

 黒に47とカケられた瞬間が、本局白の最大のチャンスだった。林も好機到来を感じ取っていたのか、次の一手に20分をかける。しかし、それは高尾の恐れていた手段とは違うものだった。局後の高尾はこう振り返る。

 「単純に出切られていたら、黒がおかしかったのでは」

 出切りとは参考図の白1、3だ。黒4に白5、黒6を交換して白7に切ると左辺黒四子は助かりそうもない。

 小松「7に黒aなら白bで白地が大きい。もう一手打っても下辺白を仕留めるのは難しく、確かに黒がいけません。でも黒8、10と忙しく下辺の白に迫ったらどうか。高尾さんがいうほど黒が悪くは見えません」

 それにしても白48、50とは迫力がある。プロが白50のような愚形を打ってきたら、相当な自信、決心がある証拠なのだが……。

 黒51、53が巧打。続いて白55なら黒58で全体の黒が連絡形になる。そして黒57が決め手になった。対して白59は黒58で黒の包囲網に傷はない。白58にハネ出した実戦は、黒59から73が先手。そこで黒77の逃げ出しが強烈だ。白は中央、下辺、左下が孤立した。

(松浦孝仁)

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