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< 第36期名人戦挑戦者決定リーグ戦同率決戦  観戦記 >
黒 山下敬吾  本因坊   -   白 羽根直樹  九段

 

挑戦手合の前に

2011年9月29日

 きょうから七番勝負が始まる。例年だと即日出稿といって、第1局や2局は2日目に第1譜をお届けするのだが、ことしはご存じのようにリーグ戦では決着せず、挑戦者決定は同率決戦にもつれ込んだ。早く井山―山下戦を見たいとおっしゃる読者はちょっとお待ちいただき、同率決戦の模様を振り返ろう。

 立秋の8月8日は猛暑。先後を決める握りのとき、山下はほほに流れる汗をぬぐおうともしない。しかし黒石の碁笥(ごけ)をたぐり寄せ、手が右上星に伸びると、もう汗は引いていた。ゾクゾクするような緊張感の中に身を置くのは、最良の消暑法かもしれない。

 白20まで、黒は中国流を中心とする右辺と安普請ながら左辺を勢力圏に収めた。白は星から展開する上辺と下辺で対抗する。解説は棋聖戦リーグで活躍中の秋山次郎八段。

 「打ち切った布石で辺の価値が大きく、黒21とツケたのは自然な一手でしょう」

 黒27までと下辺を破った。やられたらやり返せとばかりに羽根は白28の打ち込み。解説者はいう。

 「28の前に白Aとノビると黒Bとトブことになる。これを決めていいかどうか、微妙な問題です。続いて白Cと出て黒D、白E、黒Fと突き出し合うのは右側の白が薄くなるので疑問。白A、黒Bの交換だけで白28に打ち込むのはきわめて有力でした」

(春秋子)

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