現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. 名人戦観戦記
  5. 記事

< 第36期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 井山裕太  名人   対   白 山下敬吾  挑戦者

 

洛北にて

2011年10月20日

棋譜 拡大  

 ザクッ、ザクッ――玉砂利を踏む音がこころよい。

 第2局の会場は京都市の北に位置する国立京都国際会館。その5万坪の庭園がすばらしい。市民憩いの場の宝ケ池に接し、初夏には蛍が舞い、いまの季節は鹿がわがもの顔に歩き回り、秋が深まると比叡山から猿がえさを求めて下りてくるという。玉砂利の行きつく先が世界の要人をもてなしてきた茶室「宝松庵」で、ここが対局場である。

 立会人の坂口隆三九段の合図とともに、名人の左手が右上に伸びた。指先がかすかにふるえているのは、第1局でお伝えしたように武者ぶるいだろう。

 挑戦者の白2と同時に報道陣が引き揚げ、蝉しぐれだけの静寂が支配した。

 黒9とカカったあたりから局面が動く。解説は山田規三生NHK杯選手権者。

 「10では白11と受けて黒Aを許すのも考えられます。しかし黒の主張が通った気がしないでもない。山下さんなら白10でしょう」

 第1局を振り返っていただこう。予想どおりというべきか、予想を超えたといったらいいか、両者の気合がぶつかって激しい戦いに終始した。本局も同じような展開になるのは間違いない。おだやかな黒Bの三々入りや白のほこ先をかわす黒Cではなく、11の堂々たる両ガカリを選んだところにそれがうかがえる。

(春秋子)

 消費 黒:31分 白:26分 (持時間各8時間)

[次の譜へ]

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介