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< 第36期名人戦七番勝負第3局  観戦記 >
黒 山下敬吾  挑戦者   対   白 井山裕太  名人

 

雨中の開戦

2011年11月4日

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 涼しい朝だった。東北屈指の広さを誇る青森県弘前市の藤田記念庭園。書院造りの和館にしつらえた対局室からは、雨露にぬれた緑が色濃く見えた。酷暑の京都からうってかわり、第3局は気温15度前後の陸奥の国が舞台だ。台風の影響で、朝から小雨が降り続く。

 1勝1敗。番碁初対決の両者は、手応えを感じつつも、相手への警戒心を強めていることだろう。第2局までと同じく、本局も激しくなるのかどうか。

 立会人は弘前出身の工藤紀夫九段。立会人が午前9時の定刻を告げ、対局が始まった。

 挑戦者の序盤構想は独特。中国流から、さっそく黒7の高いシマリを披露する。名人の白6、8は近年大流行の星からの小ゲイマジマリ。互いに相手との間合いを測ったような慎重な立ち上がりだ。

 黒9の高い割り打ちは、右上7と呼応して雰囲気が出ている。ならばと名人は白12の高いツメ。低い白Aでは黒Bとボウシされるのを嫌ったか。それでも黒13と制空権を奪いに行った挑戦者に検討陣は早くも驚かされた。逆に13の地点に白石を置くと、左下に白の勢力圏が見えてくる。

 白14は、Cとツケコした場合のシチョウアタリになっている。

 黒17には白Dとサガるのが常識だ。ところが、名人は20分の考慮。相手の注文にやすやすとは乗るまい。白18、まずは名人が反発した。

(伊藤衆生)

 消費 黒:1時間0分 白:1時間27分 (持時間各8時間)

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