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剛 対 剛 第36期囲碁名人戦七番勝負

2011年8月29日更新

写真井山裕太名人

写真山下敬吾本因坊=いずれも滝沢美穂子撮影

表拡大2人の対戦成績

表拡大戦力 比較すると

表拡大名人戦七番勝負の歴史

  井山裕太名人(22)に山下敬吾本因坊(32)が挑戦する第36期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)が9月1日、東京都文京区で開幕する。3連覇をめざす井山と、8年ぶりに名人挑戦権を射止めた山下。名人VS.本因坊の重量級対決は、両者の気合がぶつかる「力勝負」になりそうだ。(伊藤衆生、新谷祐一)

◆新しい手、生まれそう  ―― 3連覇目指す 井山裕太名人

 七番勝負は一番勉強になる舞台。またこの舞台で打てるのは幸せです。今年は充実した時間を過ごせている。いい感じで臨めそうです。

 山下さんといえば「剛腕」。常にすごいパワーを感じます。最近はその独特の力強さに冷静さが加わり、以前の印象とは少し違う。それに本因坊を最終局で防衛した精神力はすごいと思います。自分の碁は、中国や韓国の影響でどんどん激しくなっているような気がします。世界戦をたくさん経験し、緩んじゃいけないという意識が強くなりました。

 どんな戦いになるか、山下さんも緩い手を嫌うから激しいことになるのかな。わからないけれど、ありきたりな碁にはならないと思う。どんどん新しい手が生まれるんじゃないかな。楽しみですね。

 今年は棋聖戦と十段戦で張栩さんに挑戦し、十段を獲得して二冠になった。そのあと、公式戦ではありませんが世界戦で優勝することもできた。特別、調子がいいとは思わないけれど、いい戦いができています。

 3連覇は一つの区切りという印象ですが、あまり意識はしていない。臨む気持ちは昨年までとそんなに変わりません。持ち時間の長い碁ですから普段では打てないような碁をお見せしたい。最高の自分を出せるよう、精いっぱい戦いたい。

     ○ ● ○

 いやま・ゆうた 大阪府東大阪市出身。石井邦生九段門下。2002年、12歳で入段(プロ入り)。05年、阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦で公式戦最年少優勝(16歳4カ月)。07年、新人王戦優勝。08年、名人初挑戦。09年、張栩名人を破って20歳4カ月の史上最年少名人に。最年少で九段に昇る。10年、高尾紳路九段の挑戦を退け、名人初防衛。11年、棋聖挑戦。同年に十段を奪取し、自身初の二冠を保持している。日本棋院関西総本部所属。

◆精いっぱい踏み込む  ―― 8年ぶり挑戦権 山下敬吾本因坊

 8年より、もっと昔という感じがしますね。また名人戦七番勝負が打てる、それがうれしい。あの頃と比べて強くなったかどうかもわかりませんが、経験だけは積んでいる。普段どおり戦えると思っています。

 井山さんは各棋戦で勝ちまくっていますね。今年は棋聖挑戦に失敗した直後に十段を奪取。同じ相手から勝つのは大変だろうとみていましたが、精神力が強いと改めて感じました。井山さんの碁は、すべてにおいてバランスがとれている。布石から工夫を凝らすタイプですね。

 自分はまわりがいうほど「力碁」ではないですよ。力を振り回すのではなく、厚みで押し込めるという感じ。井山さん相手にちょっとでも緩んだら勝てないので、精いっぱい踏み込むことになる。やっぱり激しい戦いにはなるでしょうね。

 本因坊は防衛しましたが、いまの自分はそんなに調子がいいというわけでもない。挑戦者になれたのも信じられないくらいです。でも、井山さんが名人になってからの対戦成績を見ると、意外に僕も頑張っているんだなと思いますね。

 井山さんとは2日制も番碁も初めて。いままでにない新鮮な碁になると思います。自分も楽しんで、見ている方も楽しめるような、おもしろい碁を打ちたい。そして結果を出せるよう頑張ります。

     ○ ● ○

 やました・けいご 北海道旭川市出身。元アマ名人の菊池康郎氏に師事。1993年、14歳で入段。98年から新人王戦4連覇。2000年に碁聖、03年に棋聖を奪取。同年、名人挑戦権を獲得し、依田紀基名人に挑む。06年から棋聖4連覇。10年、本因坊を獲得して、「本因坊道吾(どうわ)」の号を名乗る。11年、本因坊初防衛。七大タイトルではほかに天元、王座を各2期獲得している。日本棋院東京本院所属。

第1局9月1、2日椿山荘(東京都文京区)
第2局9月14、15日 国立京都国際会館(京都市)
第3局9月21、22日藤田記念庭園(青森県弘前市)
第4局10月5、6日清流荘(静岡県下田市)
第5局10月13、14日あたみ石亭(静岡県熱海市)
第6局10月27、28日鬼の栖(静岡県伊豆市)
第7局 11月2、3日 常磐ホテル(甲府市)

◇持ち時間各8時間の2日制対局。一方のシリーズ勝ち越しが決まった時点で終了。

     ◆

 名人戦七番勝負の模様はアサヒ・コム(http://www.asahi.com/igo/)で速報します。検討陣の様子を交えつつ、経過を随時お伝えします。

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