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堅実と無縁、激しい戦いに 石田秀芳・二十四世本因坊

2011年8月29日更新

写真石田秀芳二十四世本因坊

 「剛」対「剛」。楽しみな七番勝負になった。

 井山名人と挑戦者の山下本因坊はともに力を主体に戦う。堅実というのとは無縁の激しい戦いになるだろう。序盤から中盤にかけての駆け引きが焦点で、殴り合いに発展する可能性は高い。ジャブ(小技)を放つとすれば井山さんか。

 井山さんはこの名人戦で「四天王」(山下本因坊、張栩棋聖、高尾紳路九段、羽根直樹九段)と次々と当たり、今回が3人目。四天王のなかでは山下さんが一番、棋風が似ているともいえる。似たタイプの対決もおもしろい。

 ただし、挑戦者のほうが「力では負けないぞ」と思っているのでは。山下流の手厚く構えて攻めるスタイルは、自分から仕掛けやすい碁だ。井山さんは力強いけれど、理にかなった作戦を立てるので、相手の厚みに注意しながらバランスをとることになる。「剛」のスタイルを変えるとすれば井山さんだ。特に白番ではやわらかな「柔」の一面をみせるかもしれない。

 井山さんは今年、世界戦で活躍。それが大きな自信になっている。国内では4月に十段を獲得して二冠になった。さらに天元、王座とタイトルを増やしていこうというときに、要の名人を失うわけにはいかない。山下さんも7月に本因坊を初防衛し、当然ながら「名人本因坊」をそろえたいところ。最近は攻めにすごみが増し、同時に安定感も増してきた。

 過去の対戦は少なく、データはゼロと考える。番碁初対決なので、互いに新鮮な気持ちで臨めるのでは。名人に本因坊が挑む絶好調同士の対決。相当いい勝負になるだろう。すばらしい内容の碁を期待したい。

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