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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第5局  観戦記 >
黒 溝上 知親  八段   -   白 金 秀俊  八段

 

タイプ

2012年2月9日

 とにかく見どころ満載の一局だった。派手なフリカワリ、まさかのコウ、そして錯覚、見損じ。片岡聡九段の解説で見ていこう。

 片岡「溝上さんはじっくり構えるケースが多いかな。そして我が道を行くタイプです。金さんは碁界きっての武闘派。でも、性格はとても穏やかです」

 黒1、3、5の布陣に白6からカカるのは最近増えてきた手法。少し前までは白7からのカカリをよく見かけたものだ。その前は猫もしゃくしも右辺の割り打ちだった。最近ははやり廃りの周期が短くなっているようだ。

 左上の両ガカリ定石の途中、黒15とツケたのは趣向といえるだろうか。書籍に載っているのは15で黒17、白18、黒19の手順だ。実戦はこの形に白16、黒15が加わっている。溝上はこの交換がプラスにならないかと考えているのだろう。彼の「工夫好き」はよく知られていて、本人もそれを認めている。

 金の白20は、武闘派ならAではないか。不思議でならなかった。

 片岡「白AからBよりも、実戦の白20、22の二間ビラキがまさります。右上黒への圧力は大差ないし、余裕がありますからね。わたしは黒21のほうが不思議でした。白の注文、22をあっさり許したのですから。21では黒B、白C、黒Dを目指したくなります」

 黒21はじっくりタイプならではの選択か。

(松浦孝仁)

 消費 黒:22分 白:1時間3分 (持時間各5時間)

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