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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第10局  観戦記 >
黒 羽根 直樹  碁聖   -   白 金 秀俊  八段

 

大きな後悔

2012年3月16日

 1月中旬、羽根直樹に第5子(次男)が誕生した。子どもが生まれる年は調子がいいと本人が言うとおり、今年に入って4戦4勝と負けなしだ。

 金秀俊も3勝1敗と好発進。好調どうしらしい見応えある一局をご覧いただこう。

 白6のカカリから14のカケツギまでと流行の形ができた。

 黒15の割り打ちに対して白Aからツメるのは厚い打ち方だ。金は2分の考慮で白16と左からツメる。

 黒17のヒラキに金の手が止まった。52分を投じて白18のケイマ、さらに21分をかけて20とケイマした。

 「ふっくらとゆとりのある姿にして、妥当な着手でもあります。18ではなく白Aと打ち込むのは、黒Bと押し上げられ、白の形がなくなります」と解説の彦坂直人九段。

 白22にどう応じるか。黒Cとトンで頭を出すのがまず浮かぶ。けれど、続いて白D、黒E、白F、黒28となるのを羽根は「ちょっとさえないかなあと思って」、黒23と力をためた。狙いを持つ羽根らしい一手だが、大きな後悔につながる。

 白28のツケが気づきにくい絶好手だった。黒はうまい受けが見つからない。黒Eのブツカリには白Fと引かれる。白Gのツケも残って黒はいま一つだ。もっとも厳しい黒Fのハネ出しに対する金の策を、明日までに考えていただこう。

(内藤由起子)

 消費 黒:34分 白:2時間3分 (持時間各5時間)

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