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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第11局  観戦記 >
黒 結城 聡  九段   -   白 張 栩  棋聖

 

それぞれの思い

2012年3月22日

 首都圏がこの冬何度目かの寒波に見舞われた2月9日の対局。暖かい春を迎えるためにも負けられない一番だった。12月のリーグ開幕ラウンドが手空きだった結城聡は初戦黒星。前々期、前期とあと一歩のところで挑戦者になりそこねており、今期こその思いは人一倍強いはず。しかしスタートから連敗するようだと話は別だ。

 一方の張栩はいま最も忙しい棋士である。棋聖戦で高尾紳路の挑戦を受け、井山裕太に挑戦する十段戦が始まろうとしていた。この時点で棋聖戦は1勝2敗と押され気味。リーグ2戦目を反転攻勢のきっかけにしたい。

 それぞれの思いを胸に、見慣れない序盤となった。黒5の二間高ガカリに白6とハサみ、黒13までは最近時折目にする定石だが、結城は黒11のコスミツケに14分を費やした。解説は高木祥一九段。

 「黒11を決めずに単に13とケイマする選択に時間をかけたのでしょう。続いて白Aなら黒Bとオサえる。この方がよかったかもしれません。白14のカカリはさすがでした」

 さすがといわれても記者には何のことか分からなかった。白18と切ったときのシチョウアタリと判明してやっと納得。黒15でBとオサえても18の切りがきつい。

 左下の定石型で18が実現したのはきわめて珍しい。初めてのケースではないかと解説者は語る。

(春秋子)

 消費 黒:35分 白:17分 (持時間各5時間)

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