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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第12局  観戦記 >
黒 溝上 知親  八段   -   白 井山 裕太  天元

 

リーグを渇望

2012年3月29日

 2月16日、2連勝中の溝上知親が井山裕太の所属する日本棋院関西総本部へ赴いての一戦。リーグもこれでちょうど3分の1が終わる。本局は、その複雑さにおいて序盤戦屈指の内容であったと、まずは書いておこう。

 解説は関西棋院の坂井秀至八段。実は対局10日前に本人から申し出があった。坂井は昨夏、7年間連続で在籍した名人戦リーグから初めて陥落。一年の中心に考えていたであろう戦いの場を失った。再びこの舞台で、との渇望からくる志願と受け止めて快諾した。

 序盤の黒11までは坂井解説者の記憶に新しい展開になった。手順こそ違えど、2週間前にあった棋聖戦最終予選の溝上(黒)―坂井戦とまったく同じ。坂井は続いて白23とシマったが、井山の白12に溝上が黒13と左上のカカリへ向かったのを見ると、「白12には黒Aと構えられると思っていた。下辺を手抜きしてくれるなら僕も白12と受けるんやったな」。

 黒23までの碁形で違和感があるとすれば下辺であろう。7の黒石がBにあれば普通の布石。下辺は黒が頑張っている印象だ。

 ここで戦いを起こすとすれば白Cの打ち込みから白25にまわるという作戦がある。井山はゆったりと白24のヒラキ。バランスを重視して打つ構想だ。

 白は26と肩をつく。溝上は25分の考慮で黒27とケイマに躍り出した。

(伊藤衆生)

 消費 黒:52分 白:45分 (持時間各5時間)

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