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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第14局  観戦記 >
黒 溝上 知親  八段   -   白 高尾 紳路  九段

 

見え見え

2012年4月12日

 開始15分前、高尾はすでに幽玄の間の上座にいた。腕を組み盤上を凝視し、体をよじったり前後に揺らしたり。碁が佳境かのような雰囲気だ。

 1、2月に公式戦だけで計11局も対局するハードスケジュール。本局が打たれたのは今月1日、挑戦者として戦った棋聖戦七番勝負の第5局と第6局の間だった。忙しいさなか、頭の中から碁盤が離れないのだろう。

 黒1、3、5の中国流に対して、白6は比較的変化の少ないカカり方。黒8のハサミには白Aが簡明だ。

 黒9、11とカカられ、ここまでノータイムだった高尾の手がやっと止まった。

 白12のハサミに黒13と両ガカリして19のスベリまで、置き碁でよく見る定石ができた。

 「白は20とコスミツけずに、すぐ22とマゲたかった」と解説の蘇耀国八段。黒B、白Cと押し切っているのが厚い。

 溝上は7分の考慮で黒21と受けたが、「白22のマガリが見え見えなので、黒も22と押し上げたかった」と蘇解説者。

 白D、黒E切り、白Fハネ、黒Gノビ、白Hとなったとき、黒Iとカカえるシチョウが悪いのを、溝上は気にしたのかもしれない。

 蘇「それでも、白Hに続いて黒21とノビていれば黒がやれる戦いだったと思います。実戦は20と22の地点を両方打たれて黒が不満です」

(内藤由起子)

 消費 黒:29分 白:15分 (持時間各5時間)

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