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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第19局  観戦記 >
黒 高尾 紳路  九段   -   白 羽根 直樹  碁聖

 

河野を追うのは

2012年5月17日

 河野臨が5戦無敗と大変な勢いで飛ばしている。その充実した戦いぶりから、リーグ後半も大崩れしないのではないか。とすると誰が河野を追うかに興味が絞られる。

 有資格者は1敗組の序列順に井山裕太、羽根直樹、高尾紳路、張栩の4人。4月12日、高尾が桜の散り加減の名古屋に出向いて羽根と戦った一番は、追走者決定シリーズの幕あきといっていいだろう。

 対局開始早々、高尾は陸上短距離走者のスタートのように前のめりになって気合を示した。黒のツケ引きに白が手を抜き、黒9の切りに白10と引いた場面。何も考えなければ黒Aとノビる。それで何の不都合もない。しかし高尾は違った。

 黒11のカカリ。後述するシチョウを有利にするためと記者にも分かった。羽根は白12のハサミ。この時点でシチョウは白よしだ。待ってましたと、高尾は黒13のカケ。こんどはシチョウ黒よし。

 シチョウ関係が目まぐるしく変わり、白14と受ければ、遠慮なく黒15から17と切ることができる。続いて白Bには黒Cとノビ、白D、黒Eでよく、白Aとアテてのシチョウは成立しない。

 朝から前頭葉に血が集まり、エンジン全開。とくに前のめりの高尾はなおさらだ。

 さて、シチョウの悪い羽根はどうする。白の次の一手は読者の予想と違うかもしれない。

(春秋子)

 消費 黒:14分 白:19分 (持時間各5時間)

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