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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第20局  観戦記 >
黒 張 栩  棋聖   -   白 溝上 知親  八段

 

味付け

2012年5月24日

 黒79のツケは、白の立場からすれば現局面でいちばん嫌な一着かもしれない。何かの拍子に左右の白の連携が断たれれば、黒Aからの急襲がある。

 溝上は堅実な路線をいく。白82では92とアテたくなるが、黒82とはじくコウがみえみえだ。黒83のツケコシにすぐ白88と受けるのは黒90のアテにBとツグ形がアキ三角になる。白84は愚形を避ける使命を帯びていた。

 白92はこの一手といっていい。参考図の白1は欲張りで黒2、4のコウ仕掛けにしびれる。黒aだけでなく、右側の白に対する黒bも狙われる。白cでは黒dで一眼しかない。黒bに白d、黒eのコウは白の負担が重い。

 溝上は目的を達成したようだが、黒87、89と決まり、黒も中が厚くなってきた。黒93はそれを最大限に生かそうとした発想か。

 石田「白Cの切り味を警戒しながら左上で捕まっている黒数子の味付けもみています」

 それでも溝上は白94と踏み込み、白Cを強調する。ただ、勢い余ったか、直後に反省の一着が出てしまう。「白98はDでしたか」。黒107まで、左上の白陣にはほっぺが落ちそうな味が付いていた。

(松浦孝仁)

 消費 黒:2時間7分 白:2時間38分 (持時間各5時間)

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