現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. 名人戦観戦記
  5. 記事

< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第22局  観戦記 >
黒 金 秀俊  八段   -   白 結城 聡  九段

 

柔軟な手抜き

2012年6月7日

 三連星を久しぶりに見た気がした。白も二連星でこたえて5手目までの着手はすべて行儀よく星に位置した。

 白が6とカカって黒は7の一間バサミ、そこで白は8と三々に入るのが一般的……。次の一手がある程度予想できるとうれしくなる。白12と押し上げれば黒13以下の定石に。このあたりまでは、同一手順の碁が数えきれないくらいある。

 ここで、「おやっ」と思った。金が打たない。まだ定石は一段落していないのに。白22に続いて黒Aのカケツギが大切と、定石書には記されている。

 金が黒石を持ったのは8分後。盤上を確認して驚いた。Aにあるはずの黒石がない。

 「アマチュアの方はまねをしないほうが無難でしょう。黒は23に先回りして、地でも模様でもいけるようにしています」と解説の横田茂昭九段。A以外を選ぶにしても、模様一本で勝負するなら、23とはカカらずに黒24のヒラキを選ぶはず。金は白Cとツメられるのを嫌ったか。

 白Bと切られたら上辺は軽く見て、右辺から下辺の幅で対抗するつもり。だから結城もすぐには白Bと切らない。白24はハサミと割り打ちを兼ねている。

 さて、金の趣向にみなさんはどのくらい驚かれただろう。ただ、これで終わりじゃあない。明日も明後日の譜も、きっとみなさんは目を丸くするはずだ。

(松浦孝仁)

 消費 黒:29分 白:38分 (持時間各5時間)

[次の譜へ]

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介
  • ねっとde碁
  • ねっとde碁
  • 名人戦名局百選

囲碁の本

第36期囲碁名人戦全記録

剛腕・山下敬吾本因坊が井山裕太名人を4勝2敗で破り、タイトルを奪取した七番勝負を観戦記で振り返る。ほか、挑戦者決定リーグ戦全37局(プレーオフを含む)の棋譜、朝日新聞紙上に載った記事や写真なども収録。

井山裕太20歳の自戦記

史上最年少で名人となった井山裕太名人の初の打碁集。名人奪取までに打った17局を自ら振り返る。坂田栄男、趙治勲、小林光一ら歴代名人7人が見た井山評も。

勝利は10%から積み上げる

囲碁界第一人者の張栩十段が、これまでの棋士人生で培われた、自らの勝負哲学を明かす。

powered by amazon

囲碁関連グッズ

第37期囲碁名人戦 記念扇子

初防衛を目指す山下敬吾名人と挑戦者・羽根直樹九段の揮毫入り。対局開催地と日本棋院だけで販売の限定品

囲碁って楽しい!

名人戦も囲碁ガールも!新しい囲碁の魅力に触れてみませんか?