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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第23局  観戦記 >
黒 張 栩  棋聖   -   白 井山 裕太  天元

 

打ちたかった手

2012年6月15日

 5月10日、日本棋院関西総本部で行われた1敗同士の大一番、井山裕太―張栩戦は今期リーグを代表する好局と思う。一手一手の密度の濃さと意外性の連続。読んで捨てた図の質と量。どれをとっても2日制対局のような内容だった。

 お伝えすることが山ほどあるのでさっそく盤上にご注目。流行の序盤から白10の位置がやや珍しい。これについて解説担当の坂井秀至八段は「井山さんはある手を打ってみたかったのかもしれませんね」と推理する。

 記者なりに推理を解き明かそう。白10はAと星に構えるのが一般的だ。その場合、黒11から15と同じように進めば、続いて白Bのノゾキがぴったりして上辺を働いた形で備えることができる。しかし黒はコースを変え、たとえば黒11で19と大ゲイマにカカるような工夫をしてくるだろう。

 白10なら黒11から15までを想定するのは難しくない。このとき白Cと受けるのでは黒に響かず、上辺に偏してさっぱりだ。

 白16のツケ。これが「打ってみたかった手」である。黒が19とオサえれば、白D、黒18のとき、白Eと好形にトビおりて井山の注文どおり。へたをすると黒は眼形の心配をしなくてはならない。したがって黒17とツケ返したのが筋。

 ふたりの碁は序盤から面白い。白18から黒27まではほとんど互角という。

(春秋子)

 消費 黒:55分 白:42分 (持時間各5時間)

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