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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第27局  観戦記 >
黒 羽根 直樹  碁聖   -   白 張 栩  棋聖

 

1敗vs.2敗

2012年7月12日

 名人戦リーグは全36局。1局はリーグ全体の36分の1なのだが、場合によっては数局分の価値を持つ。いい例が前局の河野臨―高尾紳路戦だ。河野の全勝がストップしたため、挑戦者争いはにわかに混迷。1敗組だけでなく、2敗組にもかすかな望みが出てきた。

 1敗の羽根直樹と2敗の張栩が、梅雨の中休みの6月14日に日本棋院中部総本部で激突した本局も、単なる1局以上の重みがあるはずだ。さっそく盤上にご注目。白22まで、張の消費時間はわずか5分。ありきたりの序盤だったからではない。むしろその逆である。

 まず白12の中国流におやっと思う。白6、8とナダれたからには、黒11に続いて白21とアテ、黒A、白Bとカケツぐのが張好みの定石ではなかったか。気分を変えて足早をめざしたなどというなまやさしいものでないのは、すぐあとで分かる。

 白14から20までは張の好きな定石。羽根の黒21は要点。黒1、11の大ゲイマジマリが先にあったとして、そこへ白6、黒7、白8、黒9、白10、黒21と味気なく決めた理屈だから、黒に不満のあろうはずがない。

 しかし張には試してみたい一手があった。解説は彦坂直人九段。

 「白22がさすがの工夫でした。左下一帯で強く戦う意図です」

 羽根は23分考えて黒23のカカリ。ここから張の工夫が実を結ぶことになる。

(春秋子)

 消費 黒:41分 白:5分 (持時間各5時間)

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