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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第29局  観戦記 >
黒 井山 裕太  天元   -   白 結城 聡  九段

 

切りの値打ち

2012年8月2日

 今月の井山は記録的な忙しさ。5日の本局を含め、計10局が組まれている。挑戦者としてのぞんでいる本因坊戦は第6、7局、碁聖戦も第2、3局と、重要対局が目白押し。どう体調管理し、いかに気分転換をはかるかも勝負のうちだろう。

 結城はリーグ落ちが決まっている。しかし落胆の様子はない。対局開始前にはこんな話題を提供してくれた。

 「昨日、プール参観日というのがありまして。いや、まあ、楽しかったですよ」と照れ笑い。子供が通う幼稚園に出掛けてきたという。なるほど、これは最高の気分転換だ。

 白の勢力圏の左辺にいきなり黒5とカカるのは、最近増えてきた発想。カカるにしても以前は高い黒8がほとんどだった。

 「もちろん白6のハサミに真っ向から戦うつもりはありません。黒7と下辺に展開し、白10、黒A、白11、黒Bを目指しています」と、前局に続いて解説を担当する山田規三生九段。白8なら黒9が絶対だ。9ではなく黒Aは、白11と一子を制した姿が絶好になる。

 黒13からは最新定石といっていいかもしれない。白16に黒20とノビる定石はすっかり下火になった。詳しい経緯は最終譜に回すとして、ここでは白22に注目しよう。この切りを痛烈とみるか、それとも怖くないと判断するか。黒の次の一手とあわせて考えて欲しい。

(松浦孝仁)

 消費 黒:14分 白:1時間4分 (持時間各5時間)

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