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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第29局  観戦記 >
黒 井山 裕太  天元   -   白 結城 聡  九段

 

精神状態

2012年8月2日

 白地は40目強に及ぶ。黒が勝つにはコミ分を加えて約50目は必要。作ろうと思って作れるものではないだけに、井山には相当な重圧だ。ただ、結城も現状に満足しているわけではないらしい。こんな両者の精神状態が思わぬ変化を生む。

 まずは結城だ。黒45に対し右辺に根拠を求めたのはいい。しかし、その方法が簡明を逃した。白46では48、黒49、白51が最善。中央への脱出、白46からのツケ引き、さらに白A、黒Bから白Cに切る狙いもある。楽生きだ。黒は50、白D、黒Eと備え、白にF、黒C、白G、黒H、白Iの生きを催促する相場だろう。

 井山「下辺と合わせて白地は約50目。とても自信はありませんでした」

 黒は51がミス。参考図の黒1に置く一手だった。白は2から12の生きを確保するしかないが、黒aが利きで(白手抜きはコウ)黒は猛烈に厚くなる。

 山田「実戦は図の黒1がbにあるので、黒9のあと白は1にアテて黒c抜きを待ち、白11で生きを確保します。黒aが利かないのが自慢です」

 aが利くか利かないか。この差は勝敗を左右するほどという。

(松浦孝仁)

 消費 黒:2時間43分 白:3時間13分 (持時間各5時間)

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