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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第29局  観戦記 >
黒 井山 裕太  天元   -   白 結城 聡  九段

 

とがめ損なう

2012年8月2日

 ▲の罪はまだある。白に54と変化する時間的余裕を与えたことだ。黒55に白56、58と動き出されると、どちらが攻勢なのか分からない。黒65まで進んだ局面で確認しよう。

 続いて白は参考図の1とアテるのが自然。黒2で白二子は逃げられないが、実は立派に働いている。白3、5でこの一団は生きているのだ。眼形を奪う黒6、8に白9が仕上げの一着。aとbが見合いなのを確認できる。

 ただ、結城はこのチャンスを生かせない。

 山田「図は白が生きているとはいえ、黒aの亀の甲のポン抜きが先手。これを避けようと結城さんは白66、黒67を交換したのですが」

 ところが黒Aではなく69からアテられてガクゼン。この瞬間、図の筋がなくなり右辺白は生きを失った。結城は白70にオサエ込み、種石の右辺黒二子を取りにいくが……。

 山田「黒に71の妙手がありました。これを思えば白54は70がよかった。黒55なら白56、黒57、白58、黒59、白64、黒60のあと、白Bで黒二子を捕獲できます。黒は白70に黒68と備え、白55、黒Cと取り切るくらい。互角の形勢です」

 妙手の理由、分かりますか?

(松浦孝仁)

 消費 黒:3時間38分 白:3時間42分 (持時間各5時間)

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