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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第29局  観戦記 >
黒 井山 裕太  天元   -   白 結城 聡  九段

 

勝負手

2012年8月2日

 井山のちぐはぐな着手は好調な流れを台無しにする可能性があった。ただし、結城も追及しきれない。

 白4では参考図、1の二段バネが最初に浮かぶ。7までとなれば白aが利きなので眼形が厚い。結城はなぜこの進行を選ばなかったのか。

 実は、結城は白4でも同じ形になると思い込んでいた。黒5のツギに白6とオサえ、黒が8と切れば白15、黒A、白14となる。

 山田「黒7のコスミツケをうっかりしました。白12と30の利きは確保できましたが、黒15に切りが入り、図より劣る分かれです」

 もっとポイントを稼げる場面だったが、それでも上辺白が20まで完全に治まったのは見逃せない事実だ。心配な集団がなければ、思いきった着手を繰り出せる。白26は、勝負手の雰囲気さえある。

 すでに黒Bと囲って勝てる形勢ではない。反発する一手だ。黒29は白Cに黒Dと囲うのではなく、黒Eの切りが狙い。黒29に白Eなら黒Cと押して、黒Fから下辺の荒らしもうかがう。

 結城、白36と居直る。決戦だ。

(松浦孝仁)

 消費 黒:4時間57分 白:4時間53分 (持時間各5時間)

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