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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦第34局  観戦記 >
黒 河野臨  九段   -   白 羽根直樹  九段

 

1敗どうし

2012年9月10日

 日本棋院中部総本部「祥雲」の間。

 「おはようございます」。ややかすれた声の羽根直樹が先に入室し、上座についた。みけんにしわを寄せ、口元をきつく結ぶ。いつもの淡々とした表情とは違う雰囲気だ。

 7月に碁聖位を井山裕太に奪われ、羽根は無冠になった。不調かと思いきや、ここ1カ月、井山以外には負けていない。

 定刻3分前に河野臨が着席。開始のチャイムが鳴り終わると初手を星に打ち、上着を脱いだ。1敗どうしの大一番が始まった。

 井山が1敗を守ったことは第33局でお伝えした通り。読者はプレーオフになったことを知っているが、この時点では、本局の勝者が挑戦者に決定する可能性もあった。

 両者の対戦成績は羽根2勝、河野7勝と偏っている。

 黒は3のケンカ小目から5とカカった。

 羽根は1分の考慮で白6とシマる。「タスキの布石は戦いになりやすいので、白は左上に何かあいさつするほうがふつうです」と解説の小県真樹九段。

 河野は黒7と厳しくハサんだ。白は8から14と圧迫し、16とハサむ。16で白17とコスミツければ、黒もAとヒラいて局面は落ち着く。きょうの羽根は好戦的だ。

 黒17は急所。黒19とヒラくとは堅い。

 白が20とかぶせたところで、河野は長考に沈んだ。

(内藤由起子)

 消費 黒:29分 白:27分 (持時間各5時間)

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