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< 第37期名人戦挑戦者決定リーグ戦同率決戦  観戦記 >
黒 羽根直樹  九段   -   白 井山裕太  本因坊

 

逆襲始まる

2012年9月24日

 最終一斉対局から4日後の8月6日、日本棋院関西総本部で両者は顔を合わせた。プレーオフ(同率決戦)の大一番を戦うのは井山と羽根。勝てば名人への道が開け、負ければ積み上げてきた7勝1敗の成績がかすむ。タイトル戦最終局と同等の緊迫感がただよう。

 記者は井山有利を予想していた。直前の碁聖戦五番勝負では挑戦者の井山が碁聖の羽根に3連勝。本因坊、天元、十段に碁聖をあわせて四冠を達成した。

 さらに井山は国内で勝ちまくっている。2月に早碁棋戦を落としてから実質的な負けがない。敗戦は四つあるがすべて挑戦手合でのもの。十段防衛戦で張栩に1敗、山下敬吾に挑戦した本因坊戦で3敗。しかし、どちらもタイトル獲得に成功している。成績、調子、勢い、どれも井山が羽根を上回っている。

 ただ、追い詰められた羽根は強い。逆風ばかりの状況を力強くはね返す。石田秀芳二十四世本因坊が「黒の好局」と評した碁をじっくり見ていこう。

 上辺黒のミニ中国流に白12は、黒A、白B、黒C、白Dを目指している。羽根は16分使い、黒13のコスミツケを選択。白14と立たせて厳しく黒15にハサむ、積極策だ。

 こんなに早い段階での構想にいいも悪いもない。ただ、羽根の逆襲はもう始まっていたと思う。積極的に。これが本局のキーワードだ。

(松浦孝仁)

 消費 黒:42分 白:40分 (持時間各5時間)

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