< 第37期名人戦七番勝負第1局 観戦記 >
羽根直樹 挑戦者
対
山下敬吾 名人
蝉しぐれと目にあざやかな百日紅(さるすべり)の花の中、ことしも東京都文京区の椿山荘で名人戦挑戦手合が始まった。
しかし今回はこの数年といくつか違っている。まず8月開幕がまったく異例。本局のあと日中韓名人戦が行われるため、第2局までに2週をあけざるを得なかったからである。
4年間七番勝負に出ずっぱりだった井山裕太の姿が見られないことも、いつもと違う点だ。その井山をプレーオフで破って初登場を果たしたのが羽根直樹。さてどんな勝負になるのか。いつものように期待で胸がおどる幕開きだった。
8月30日午前9時ちょうど。石田芳夫立会人が「時間になりましたので握りをお願いします」と声をかける。名人は白石を一つかみ盤上に伏せ、挑戦者が黒石を一つ置いて奇数先の意思表示。石数は奇数個で挑戦者の先番と決まった。
技術顧問は今期のリーグで新風を巻き起こしたものの、惜しくも残留はならなかった金秀俊八段。「羽根先生は新しいテーマで山下名人に挑むような気がします」という。どんなテーマか、すぐ明らかになる。
両者の好みどおりのスタートだった。星から黒3、5のシマリは挑戦者愛用の布陣。白6、8と構え、黒9に手を抜いて白10にヒラくのも名人の流儀だ。
黒11と打ち込んで早くも開戦。
(春秋子)
消費 黒:16分 白:16分 (持時間各8時間)
剛腕・山下敬吾本因坊が井山裕太名人を4勝2敗で破り、タイトルを奪取した七番勝負を観戦記で振り返る。ほか、挑戦者決定リーグ戦全37局(プレーオフを含む)の棋譜、朝日新聞紙上に載った記事や写真なども収録。
史上最年少で名人となった井山裕太名人の初の打碁集。名人奪取までに打った17局を自ら振り返る。坂田栄男、趙治勲、小林光一ら歴代名人7人が見た井山評も。
囲碁界第一人者の張栩十段が、これまでの棋士人生で培われた、自らの勝負哲学を明かす。
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