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< 第37期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 山下敬吾  名人   対   白 羽根直樹  挑戦者

 

いろいろな瞬間

2012年10月25日

 挑戦者が左辺の形を黒73まで決めたのは、左下白の補強だけが理由ではない。右下白74のスベリを急ぎたかった。地を確保しながらの攻めは、棋士がいちばんよろこびを感じる瞬間だとか。

 名人は黒75と頭を出し、77へ。白78がおもしろいところだった。

 高尾「部分的に考えれば白78はA、黒78、白B、黒C抜きがスマートです。しかしその形は、ちょっと許せない。△は▲と換わり黒の眼形を奪った着手でした。それを抜かれると結果的に△と▲の取引が黒の眼形確保のお手伝いになってしまう。先に打った石をいかせないのは、本当につらいのですよ」

 こちらは、棋士がかなりの嫌悪感を覚える瞬間、だろうか。

 白80に黒81は見るからにつらい。黒83、85も仕方がないとはいえ白地をみすみす増やし、悔しい交換だ。

 黒81で参考図の1を提案したのは帯広市出身の下坂美織二段。好評だった大盤解説の聞き手を務めた。

 高尾「賛成です。白2に黒3と辛抱しておき、白4以下10には黒11から15で応戦します。息の長い勝負になったと思います」

(松浦孝仁)

 消費 黒:5時間20分 白:4時間45分 (持時間各8時間)

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