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< 第37期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 山下敬吾  名人   対   白 羽根直樹  挑戦者

 

二線へ2手

2012年10月25日

 白88までの形勢は白よし。黒は何か事を起こさなければならない。山下名人は31分の熟考ののち、黒89のツケを選択した。

 羽根挑戦者も長考で返す。白90の決断には昼食休憩をはさむ56分を要した。黒は右辺を95まで手厚く備え、白は94と右上を制す分かれに。ただし、気合の進行と受け取るのは正しくない。

 高尾「白はかなり死活に気を使っています。白98、100と、二線に2手もかけたのですから。黒97に対し白A、黒100、白99は黒B、白C、黒Dで無条件の死です」

 ただ、黒に99を占められた実戦は直後に黒101と出る手が視覚的にもきつい。白98で参考図の1が検討室案だ。

 羽根もこの変化は見ていたが黒2のオキが心配の種だった。白は3から15まででセキに持ち込むことになる。

 高尾「黒の先手ゼキですが、白もaのヨセが残り、それほどの損失ではない。私なら手を打つレベルです」

 つまり羽根は、右辺にしっかり白地を確保し、右上でもがんばる道を選んだ。形勢優位を意識していないかのように。

(松浦孝仁)

 消費 黒:6時間30分 白:6時間2分 (持時間各8時間)

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