< 第37期名人戦七番勝負第4局 観戦記 >
山下敬吾 名人
対
羽根直樹 挑戦者
真夏のような暑さの東京から始まり、北海道の天元に位置する上川町、南国宮崎と転戦して、名人戦は杜(もり)の都の仙台にやってきた。対局場は仙台の奥座敷として親しまれる秋保(あきう)温泉の「茶寮宗園」。
珍しい対局開始だなと思った。盤側には対局者から見て右から記録係の一力遼二段、朝日新聞社を代表して町田智子企画事業担当、立会人の林海峰名誉天元、日本棋院を代表して大竹英雄名誉碁聖、そして仙台対局の共催を買って出た河北新報社の一力雅彦社長がそろった。
大震災からの復興は始まったばかり。碁で復興に寄与できることは限られるが、被災者に名人戦を楽しんでもらい、一日も早くかつての日常を取り戻していただこうと、やはり大震災で被害を受けた仙台に主要拠点を置く河北新報社が名乗りをあげたのである。なお一力社長の息子さんが一力二段。親子が盤側に並ぶのは長い名人戦で初めてだった。
報道陣や関係者が去った対局室にひときわ大きく響いたのは名人の黒5だった。解説役の小林覚九段は語る。
「黒Aと高くカカると、地の好きな挑戦者に白5とツケられるのを嫌ったのでしょう。黒5には変化が多く、研究しないと簡単には打てません」黒7から9、11と動き、石数の少ない左辺で頑張り抜くつもりらしい。
(春秋子)
消費 黒:28分 白:44分 (持時間各8時間)
剛腕・山下敬吾本因坊が井山裕太名人を4勝2敗で破り、タイトルを奪取した七番勝負を観戦記で振り返る。ほか、挑戦者決定リーグ戦全37局(プレーオフを含む)の棋譜、朝日新聞紙上に載った記事や写真なども収録。
史上最年少で名人となった井山裕太名人の初の打碁集。名人奪取までに打った17局を自ら振り返る。坂田栄男、趙治勲、小林光一ら歴代名人7人が見た井山評も。
囲碁界第一人者の張栩十段が、これまでの棋士人生で培われた、自らの勝負哲学を明かす。
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