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< 第37期名人戦七番勝負第6局  観戦記 >
黒 山下敬吾  名人   対   白 羽根直樹  挑戦者

 

名人ならでは

2012年12月13日

 開始5分前、山下敬吾名人が先に姿を見せ上座につく。盤上を拭き清めていると、羽根直樹挑戦者が一礼して着席した。座椅子の位置を調整し、腕時計をはずして碁笥(ごけ)の右に置く。ふたりとも淡々と支度をする。

 名人が防衛まであと1勝と迫り迎えた第6局も、よく見る朝の風景で始まった。静岡県熱海市の「あたみ石亭」は、名人戦の舞台として13回目を数える、おなじみの対局場だ。

 彦坂直人立会人が開始を告げると、黒番の名人は気息を整え、1分ほどして黒1と右上星に向かった。

 白はすぐ2と星へ。挑戦者は白番のとき、初手が小目なら自分も小目、星なら星と決めているようだ。

 黒5までの中国流に対して、白6、さらに黒7、白8と小ゲイマを打ち合うのは実戦例が多い。「白はコミがあるからゆっくりしようというのは分かるけれど、黒が小ゲイマすると細かくなりそう」と彦坂立会人。

 左右同形の左辺はその真ん中に目が行くが、黒9と四線に向かうのは名人ならでは。ふつうはAの三線だ。「白Bのツメに黒C、白D、黒E。これを寸が詰まっているように感じて、名人はAを嫌うのでしょう」と解説の小県真樹九段。高い黒9は根拠を意識したのではなく、軽く割ったという気分だ。ただし、実利はなく不安定であとが難しい。善悪は別だ。

(内藤由起子)

 消費 黒:19分 白:11分 (持時間各8時間)

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