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パワー勝負 第37期囲碁名人戦七番勝負 8月30日開幕

2012年8月28日更新

写真山下敬吾名人

写真羽根直樹九段=いずれも麻生健撮影

表拡大七大タイトル戦の直接対決

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表拡大名人戦七番勝負の歴史

 山下敬吾名人(33)に羽根直樹九段(36)が挑戦する第37期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)が30日、東京都文京区の椿山荘で開幕する。初防衛をめざす山下は屈指の剛腕として知られる。初挑戦の羽根も力勝負を宣言。「四天王」として現代囲碁界を引っ張る両雄の対決は、激戦必至の予感がする。

◆初防衛へ攻めて攻め倒す  ―― 名人 山下敬吾(33歳)

 守る立場の七番勝負ですが、攻めの気持ちを前面に押し出して、後悔のないよう思いきり戦いたい。7月に本因坊を奪われ、いまは名人の一冠。防衛のチャンスをふたつも逃すわけにはいきません。

 羽根さんは私が七番勝負で最も多く戦っている相手。手の内は知っています。あまり調子がいいとはみていませんでしたが、リーグ初戦負けのあと、プレーオフを含めて8連勝したんですね。

 羽根さんはバランスを重視しながら地を稼ぐタイプ。私が攻めて羽根さんがしのぐ展開が多くなると思います。すぐに乱戦になるというよりも、ジャブで様子を見て、そこから激しくなる、あるいはかわすという感じ。その駆け引きが重要になる。羽根さんはカド番になるとやけに強いという印象がありますが、あの土壇場の強さはうらやましいですね。

 今年初めは、棋士になって初めてというくらい対局がなかった。気持ちの張りという意味でコンディションを保つのが難しかった。成績はあまり見たくないですね。単純なミスで勝てる碁を落とすこともある。そのあたりを修正して七番勝負に臨みたい。

 攻めて、攻め倒すという感じで防衛したい。去年の七番勝負はアマチュアの方たちに「おもしろかったよ」と言われました。そんな碁が打てればと思います。

     ○ ● ○

 やました・けいご 北海道旭川市出身。元アマ名人の菊池康郎さんに師事。1993年、14歳で入段、2003年九段。98年から新人王戦4連覇。2000年に碁聖、03年に棋聖を奪取した。06年から棋聖を4連覇。10、11年には本因坊を連覇、在位中は「本因坊道吾(どうわ)」の号を名乗った。昨年、8年ぶりの挑戦で名人を奪取、史上7人目の「名人本因坊」となった。ほかに天元、王座を各2期獲得している。日本棋院東京本院所属。

◆かわさず対抗してみたい  ―― 挑戦者 羽根直樹(36歳)

 今まで縁のなかった名人戦七番勝負。とても楽しみですが、意識しすぎず、普段どおり、のびのびと打ちたい。

 山下さんは力が強い。自分と比べて、明らかにパワーで押していく碁。常に何かを狙っているというタイプですね。大事な対局で何度も戦ってきたので互いに手の内は知っています。私の碁は相手に攻めさせながら、しのぎの中でリズムをつくることが多い。ただ、山下さんを相手に、しのいで優勢になった記憶はあまりない。どんな戦いになるかはやってみないと分かりませんが、きっとあのパワーはかわしきれない。しのぐのではなく、パワーで対抗してみたい。

 最近は、タイトル戦を除けばそれなりに結果を出せていますが、苦しい碁もかなりある。布石や中盤の構想をしっかり組み立てられるよう調子を上げたい。これまでの自分の傾向からすると、一つ勝ってから調子が上向いていくことが多い。だから早めに一つ勝ちたい。それが第1局であれば一番いいですね。

 なかなかチャンスの来なかった名人挑戦権。自分の碁が昔と大きく変わったということはないので、このタイミングで来たというのは、名人戦でも中部(羽根九段は名古屋市の日本棋院中部総本部所属)になんらかの運が向いてきたのかもしれません。そう信じて戦いたい。

     ○ ● ○

 はね・なおき 三重県志摩市出身。幼少の頃、父の羽根泰正九段に手ほどきを受ける。1991年、14歳で入段、2002年九段。19歳で新鋭トーナメント優勝。01年から天元3連覇。04、05年には、いずれも最終第7局までもつれる激闘の末、棋聖2連覇。08年、3連敗後の4連勝で本因坊を奪取し、翌年、初防衛を果たす。11年、碁聖奪取。日本棋院中部総本部所属。現在、同総本部のタイトル・王冠を保持している。

第1局8月30、31日椿山荘(東京都文京区)
第2局9月20、21日 層雲峡朝陽亭(北海道上川町)
第3局9月27、28日フェニックス・シーガイア・リゾート(宮崎市)
第4局10月10、11日茶寮宗園(仙台市)=河北新報社共催
第5局10月17、18日御所坊(神戸市)
第6局10月31日、11月1日あたみ石亭(静岡県熱海市)
第7局 11月12、13日 常磐ホテル(甲府市)

◇持ち時間各8時間の2日制対局。どちらかのシリーズ勝ち越しで決着。

     ◆

 熱戦の模様は朝日新聞デジタルの囲碁ページ(http://www.asahi.com/igo/)で速報します。対局経過のほか現地の様子などを随時お伝えします。

(構成・伊藤衆生、鈴村綾子)

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