2012年8月28日更新
石田秀芳・二十四世本因坊
剛腕の山下名人と器用なタイプの羽根挑戦者。ともに力戦派ながら、棋風は対称的だ。山下さんの攻めを基調にしたスタイルは、相手が誰であってもほとんど変わらない。地やバランスなどよりも力関係を重視し、強く戦える状況であれば、やれると判断する。一方、羽根さんは地を稼いでから、しのいだり、さばいたりする碁が多い。こちらは理論派に近いといえる。
どんな戦いになるかは羽根さん次第だ。羽根さんが地を稼ぎすぎれば、「山下の攻め、羽根のしのぎ」となるが、過去に痛い目に遭っている羽根さんが変えてくる可能性はある。攻めの山下が主導権を握ると思われがちだが、羽根さんは相手に仕掛けさせるのが得意。序盤から中盤、戦いに入る前の構想と駆け引きがだいご味の一つだろう。
羽根さんは挑戦者決定リーグ戦のプレーオフで井山裕太本因坊を破った。7月に羽根さんから碁聖を奪った井山さんには勢いがあるのに、そこで勝つあたりが羽根さんの強さ。無冠になったとはいえ、精神的にはすでに上り調子にある。
山下さんも調子は悪くない。井山さんに本因坊を奪われはしたけれど、その第5局は大逆転負け。折れずに第6局で返し、最終局はむしろ勝つチャンスが多かった。ただ「名人本因坊」になって1年で両方とも失うのは寂しすぎる。二冠を保持しての防衛戦とはプレッシャーが違うはずだ。それでも本因坊戦で対決したばかりの井山さんが挑戦者ではないというのは、どこかほっとした気持ちもあるのでは。初挑戦の羽根さんだけでなく、山下さんにとっても、新しい気持ちで臨める七番勝負だ。
過去の戦績から予測すれば、第4局や第5局で決する短期戦ならば山下さん、長期戦ならば羽根さんがやや有利か。連勝、連敗の傾向もあるので、開幕戦はこれまで以上に重要になる。
剛腕・山下敬吾本因坊が井山裕太名人を4勝2敗で破り、タイトルを奪取した七番勝負を観戦記で振り返る。ほか、挑戦者決定リーグ戦全37局(プレーオフを含む)の棋譜、朝日新聞紙上に載った記事や写真なども収録。
史上最年少で名人となった井山裕太名人の初の打碁集。名人奪取までに打った17局を自ら振り返る。坂田栄男、趙治勲、小林光一ら歴代名人7人が見た井山評も。
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