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< 第38期名人戦挑戦者決定リーグ戦第1局  観戦記 >
黒 張 栩  棋聖   -   白 村川 大介  七段

 

持っている男?

2013年1月16日

 新しい年とともに第38期リーグの観戦記がスタート。みなさん、今年もどうぞよろしくお願いします。

 第1局は昨年の12月6日、日本棋院東京本院「幽玄の間」で打たれた。本院で最も格式ある和室。初参加の村川大介には感慨深いものがあったと思う。

 15歳、三段だった2006年、村川は碁聖戦で七大棋戦初の本戦入りを果たす。そのときの1回戦も幽玄の間だった。相手は当時の棋聖、山下敬吾名人。いきなり第一人者と当たった感想を聞くと、「うれしいです」。根性があるなと驚いた。

 今回は張栩棋聖。またまた時の第一人者とぶつかった。今風に言えば「持っている」棋士か。節目、節目にまるで脚本があるかのように最高の舞台が整う。見えない力に導かれるように。注目の若手のリーグデビュー戦だ。

 白6の4分が目立つだけで、黒21まで見る見るうちに進んだ。白14に黒15の切りが右下の定石のポイント。村川はリーグ入りを決めた予選決勝でもこの定石を選んだ。「黒15でAとハネ出し、白18、黒19、白B、黒15、白16、黒Cの型もあります」と解説の石田秀芳二十四世本因坊。

 村川、8分考えて白22と構える。穏やかな判断に映るが、実は激しい狙いを秘めていた。白24の気迫、みなさんに届くだろうか。張にケンカを売った一手。記者にはそう見えた。

(松浦孝仁)

 消費 黒 3分 白:21分 (持時間各5時間)

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