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< 第38期名人戦挑戦者決定リーグ戦第5局  観戦記 >
黒 坂井 秀至  八段   -   白 河野 臨  九段

 

17手目の意味

2013年2月15日

 昨年12月の第1ラウンドを白星で発進できなかった河野と坂井の対戦。五分に戻すか連敗か。ちょっと違った意味での注目局だ。

 名人戦リーグは全8戦の長丁場。とはいえ立ち上がりの連敗は痛い。五分の星に戻すには当然ながら2カ月かかる。つまり、リーグ戦の半分を消化してしまうのだ。挑戦権レースの大きな足かせとなるのは間違いない。

 坂井は黒5、7、9に合わせて19分を消費。慎重だ。反対に白18までの河野の着手はすべて4分以下。これは両者の対戦成績が影響したか。河野の9勝2敗と大きく偏っている。

 白6の一間がこのところ増えてきた。「以前は白Aの小ゲイマばかりでしたね。位が高いと黒Bの急所が気になりますが、その分、中央への進出スピードに優れます」と解説の小松英樹九段。

 白Cから一路ずらして8に構えるのは河野愛用の布陣。右下へのカカリは急がないのが最近の傾向だ。白10と割り打てば16まではよくある進行だ。

 黒17が本局の結末に少なからず作用したと記者は思う。黒Dのコスミツケなら白E、黒Fとなり、これはよくある取引。黒17はもっとからい姿を目指した。白Gと受けさせて黒Fと構えれば、隅から辺が黒の確定地だ。

 河野は許さない。白18と裏から黒に迫り、右辺白に声援を送る。これが開戦のきっかけとなった。

(松浦孝仁)

 消費 黒:28分 白:15分 (持時間各5時間)

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