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< 第38期名人戦挑戦者決定リーグ戦第11局  観戦記 >
黒 張 栩  棋聖   -   白 結城 聡  九段

 

タブーがない

2013年3月28日

 碁は難しいと書いたら、何をいまさらと読者に笑われるかもしれない。しかし本局から受けた第一印象は、やはり難しいだった。

 何が現代碁を難しくしたのか。盤上のタブーが極端に少なくなったからではないか。たとえば左上白10とハサんだところ。立会人の石榑郁郎九段は「私らは続いて白Aとツケられてはいけないと教わったのですが、いまは平気で手を抜く。何でもありなんですね」と語る。そう、何でもありが碁を複雑にし、難しくしているのだと思う。必然的に序盤から険しくなろうというものだ。

 2月14日の対局。ともに手あきがあり、これがリーグ2戦目。張栩は棋聖戦七番勝負の合間、結城聡は十段戦五番勝負を前にしての重要な一番だった。

 気になる左上は黒が手を抜き、右上11の切り。解説の小林覚九段いわく、「白12あるいは14でAとツケれば、黒14のカカエでしょう。白がもう一手22と加えたとして、まったく互角と思います」。

 白14、16なら黒17と動き出す手順である。前例があるようで見たことのない序盤戦。黒19と浮かんだのは張の新工夫といっていいだろう。その19はノータイムの産物。17に6分考え、予定の行動だったが、相変わらずの早打ちだ。

 白20と押し、22と根拠を奪った場面で、読者が黒ならどう打たれますか?

(春秋子)

 消費 黒:17分 白:47分 (持時間各5時間)

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