< 第38期名人戦挑戦者決定リーグ戦第23局 観戦記 >
村川大介 七段
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高尾紳路 九段
東京・市ケ谷の日本棋院周辺にツバメが舞い始めた5月9日、好調同士の高尾紳路と村川大介がぶつかった。
好調さがはんぱではない。本局を前に高尾のことしの成績は16勝4敗で勝率8割。本因坊戦リーグはぶっちぎりの7戦全勝で挑戦者となり、いま井山裕太本因坊相手に奮戦中だ。ただし4敗のうちの2敗を喫した名人戦リーグは4番手に甘んじ、挑戦へのハードルは高い。
村川は15勝2敗。3月下旬には棋聖戦リーグ入りを決め、関西棋院のエース格に成長してきた。高尾と村川には浅からぬ縁があるのだが、それはあとで触れよう。
村川の黒番で流行の序盤が静かに進む。右下の一間ジマリを背景に黒7とハサめば、白12までが現代流の基本定石。この型は第19局の井山―村川戦に現れたように、白Aの動き出しがいつ実現するかがポイントだ。
左下に移って黒21まで。これも大流行の簡明定石である。解説の宮沢吾朗九段いわく、「私らだと黒19でBと押す大ナダレを選択するか、あるいは黒21でCの大場に行くか、かなり時間を使うけれど、いまの若い人はまったく悩みませんね」。
黒13とカカったときからの村川の作戦だったのだろう。
白22の高い割り打ちには黒23からツメ、白24には黒25とくつろげる。対して白26が好手だった。
(春秋子)
消費 黒:39分 白:22分 (持時間各5時間)