< 第38期名人戦挑戦者決定リーグ戦第24局 観戦記 >
河野臨 九段
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結城聡 十段
河野は小林光一名誉名人門下。真面目で研究熱心な姿勢、堅実な棋風は師匠譲りだ。
「以前はとてもよく似ていましたが、最近は人間の幅が広がったのか、だいぶ個性が出てきました」と、河野の兄弟子で本局の解説者でもある大矢浩一九段。例えば、師匠は布石のパターンを決めていたが、河野は対局ごとに工夫して奇抜なこともやるという。
本局もそうだ。
白2、4の向かい小目に対して黒5とカカり、白6、8のツケ引きにすぐ黒9とツイだのが、「ものすごく珍しい。黒11のあと、白20のシマリがあまりに絶好になりますから」と大矢解説者。よくあるのは、黒9で左下へのカカリだ。
さらに白12、14に黒15とコスんだのも見たことがないという。AのケイマやBと一間に受けるのがふつうだ。
結城の手が止まる。左下の小目の向きが悪く、下辺はヒラきにくい。白Cと肩をつくのも右上の黒の幅がいいので気が差す。23分考えて、白16とケイマした。「18までの白の姿はちょっとだらしがない感じですが、22のサガリが先手で利きますし、Bも楽しみ。まあまあの格好だと思います」と大矢解説者。
黒19の守りは仕方がなく、白が20の絶好点にまわった。
河野は上辺黒21の大場へ。さて、白24、黒25を決めた結城はどこへ向かったか。
(内藤由起子)
消費 黒:1時間13分 白:1時間27分 (持時間各5時間)