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< 第38期名人戦七番勝負第1局  観戦記 >
黒 井山裕太  挑戦者   対   白 山下敬吾  名人

 

穏やかな名人

2013年10月3日

 9月5日、東京都文京区のホテル椿山荘東京。窓から見える景色を豪雨が邪魔している。時おり雷鳴が響く中、山下敬吾名人と五冠王の井山裕太挑戦者は静かに開始を待っていた。

 3連覇か奪還か。両者を眺めながら、心の内を勝手に想像した。

 「冗談じゃない!」

 山下は一昨年、井山から名人位を奪取した。ところがその後の碁界は井山一色。今年3月、井山は一時、名人以外の七大タイトルすべてを保持した。七冠独占への期待の声も聞こえてくる。

 「勢いはオレだ」

 井山はリーグ終盤の奇跡的な展開で、2年ぶりにこの舞台へ戻ってきた。6月、全勝の張栩九段に敗れて2敗目を喫したとき、誰が井山の挑戦を予想できただろうか。

 午前9時、立会人の小林光一名誉名人の指示で握りが行われ、挑戦者の先番に決まる。左腕が右上隅に伸びて第1局が始まった。

 挑戦者からはやはり勢いを感じる。通常は小目へのカカリを優先するが、意欲的に黒5と星にカカってから、7と小目にカカる。黒9と13はともに変化が多いとされる二間高バサミ。戦いたくてうずうずしているようだ。

 記者の空想通りに気合をぶつけあえば序盤から激しくなるはず。しかし名人に激しさはなく、白10、14、16と穏やかだ。のんびりムードは続き、このあと検討陣を驚かすことになる。

(松浦孝仁)

 消費 黒:37分 白:40分 (持時間各8時間)

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