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< 第38期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 山下敬吾  名人  対   白 井山裕太  挑戦者

 

秀策の地で

2013年10月21日

 第1局いかがでしたか。ファンだけではなく、棋士の注目度も高く、さまざまな声が聞かれた。まず序盤の名人について、「白を持ってやる気がしない」と否定的。戦いが始まってからの挑戦者についても、「普通に生きれば悪くないのに、わざわざ難しくしている」と評判はよくなかった。

 しかしと思う。遅れ気味でも厚く構えて攻めに結びつけるのが名人の持ち味だ。一方、常に最強手をめざすのが挑戦者の信念。双方みごとなまでに自己のスタイルを貫いたといえるのではないか。

 第2局は市制115周年を記念して広島県尾道市にやってきた。115をイイゴと読むとは、尾道の囲碁熱も相当なものだ。

 同市の因島は幕末の棋士・本因坊秀策のふるさと。対局前日、名人と挑戦者は、しまなみ海道で因島に渡り、秀策の記念館を見学したあと、墓前にお参りをした。名人が4年前の棋聖戦で因島にきたときは、雨のため墓参りをパスしたという。そのバチが当たったのか、碁は負け。相手の依田紀基九段はしっかり墓参りをしたとか。

 9月19日、午前9時を1分ほど過ぎて名人の手は右上小目に伸びた。続いて右下、左下の小目を占める秀策流の布石にしたかったという。しかし白が星二つでは秀策流になりようがない。そのかわり、AでもBでもない黒7の珍しい構えを披露してくれた。

(春秋子)

 消費 黒:20分 白:12分 (持時間各8時間)

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