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< 第38期名人戦七番勝負第3局  観戦記 >
黒 井山裕太  挑戦者  対   白 山下敬吾  名人

 

再び西へ

2013年11月1日

 9月24日、東京駅。正午発、新大阪行きの新幹線に乗り、名人の隣の座席に座る。「かわり映えしなくてすみません」と言うと、名人がほほえんだ。

 七番勝負の道中、対局者の隣席に座ることがしばしばある。今年は東京在住の名人と大阪在住の挑戦者の対決なので、都内勤務の記者は名人の隣に座る役目が多い。3日前もずっと隣だった。

 広島県尾道市での第2局に敗れた名人は翌21日、4時間以上かけて都内に戻った。そのとき「さすがに長いですね」と語った顔が疲れきっていた。記者がまた隣では、敗戦の記憶がよみがえりはしないか。負けたばかりの棋士と接するときはいつも悩んでしまうが、この日の名人は穏やかな表情に見えた。

 1勝1敗で迎える第3局の舞台は、兵庫県宝塚市の宝塚ホテル。「宝塚で名人戦が打たれたことは?」。そんな名人の質問に答えながら新大阪からハイヤーでホテルへ向う。

 挑戦者は自宅からハイヤーで現地入り。4年前に同じホテルで張栩名人―井山挑戦者による第34期第3局が打たれ、挑戦者が勝っている。20歳の史上最年少名人が誕生したシリーズだった。挑戦者は、地元・関西での名人戦七番勝負は4戦負けなしという。

 25日午前9時、挑戦者は黒1、3、5の中国流、名人は白2、4の二連星で対局が始まった。

(伊藤衆生)

 消費 黒:33分 白:38分 (持時間各8時間)

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