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張・高尾に安定感/坂井が伏兵/羽根最終戦を注視

2012年12月5日

写真展開予想する(左から)石田秀芳二十四世本因坊、井澤秋乃四段、趙善津九段=郭允撮影

 山下敬吾名人(34)への挑戦権を争う第38期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)が6日、開幕する。前期挑戦者の羽根直樹九段、史上最多タイの五冠となった井山裕太本因坊ら9人が、来年8月まで総当たりで戦う。激戦必至のリーグを抜け出すのは誰か。石田秀芳二十四世本因坊、趙善津九段、井澤秋乃四段による展望座談会では、挑戦者予想が井山本因坊に集中した。

 

 ――山下名人を含め、ここ2年の七大タイトル戦に登場した全棋士がそろいました。日本碁界の縮図のようです。新参加枠は関西棋院の3人が独占。出場9人の平均年齢は32.6歳で、最も若かった前期の31.1歳より少し上がりました。

  井澤 タイトル経験者ばかりですね。そこに若い村川さんが一人いるという感じ。井山さんも若いけれど別格かな。関西棋院勢が3人も在籍するのは第2期以来?36年ぶりなんですね。

  趙 40歳の結城さんが最年長。今の時代だと結城さんはベテランですよ。

  石田 着実に世代が交代している。昔の名前は誰もいないね。

  ――有力候補は?

  趙 いまの勢いを考えれば、井山さんが最有力といわざるをえない。内容的には危ない碁もあるんだけれど、最後には勝っちゃう。

  ――本因坊、碁聖、王座を奪取し、今年、史上最多タイの五冠になりました。

  井澤 勝率8割超ってすごい。新婚さんで公私ともに充実している。打つ手は格好よくて、最後の決め技も鮮やかです。

  石田 海外を意識してのことだろうけれど、最近はちょっと乱暴じゃないかっていうくらいの力強さ(笑い)。成績は桁違いで、他の8人全員に勝ち越してもいる。当然、井山さんだね。

  趙 リーグにタイトル保持者は2人。僕は、進むにつれてこれがどう変わるかにも注目しているんです。

  ――井山本命で一致ですね。対抗できるとすると。

  石田 名人の山下さんを除く「四天王」の3人(羽根、高尾、張)がリーグ上位にいる。闘志を燃やしてくるのは間違いない。

  趙 対抗は安定感のある張さんと高尾さん。羽根さんはつらい負けが続いているから苦しいのでは。

  井澤 井山さんとの成績が一番接近(9勝10敗)してるのは羽根さんですよ。

  石田 今夏、井山さんに碁聖を奪われた後で、井山さんに勝って名人挑戦を決めた。切り替えのうまさというか、精神的に強い。

  趙 張さんは、勝負に対する執念というか、表情に以前の趙治勲先生みたいな雰囲気がある。いまは年初の棋聖防衛戦(挑戦者は井山)に向け、集中力を高めているでしょう。リーグに好影響を及ぼすのでは。

  石田 確かに、防衛戦のさなかに戦うリーグがすごい重要になるね。

  趙 高尾さんは、どのリーグでも常に上位にいる。だいたいリーグ終盤まで有力候補になっている。

  井澤 タイトルから少し離れている印象だけれど、コンスタントに挑戦手合には出ている。

  石田 河野さんのシード3位は好位置。でも、苦手の3人(井山、高尾、張)に2勝1敗と勝ち越すのが最低条件だ。張さんまでの上位5人から挑戦者が出ると考えるのが普通かな。

  趙 溝上さんの最近の成績はすごい。上位陣からすると不気味な存在ですよ。

  ――関西棋院勢は?

  趙 結城さんは前期に全敗で陥落。よく立て直して戻ってきましたよね。

  井澤 結城さんは以前、旧知の坂井さんが医師の道からプロ棋士に転じたことがすごく刺激になったと言ってました。2人同時の復帰ですから、互いに頑張るでしょうね。

  趙 坂井さんは名人戦リーグに相性がいい。勉強熱心で、すべてを碁に注いでいる。僕は今期のダークホースとみています。

  井澤 村川さんは井山さんを追いかける存在。東京にも部屋を借りて勉強しています。石が接触するような戦いの碁ですね。

  石田 挑戦権まではなかなか大変だろうけれど、リーグに入ってぱーんと強くなることはある。残留できればだいぶ違ってくる。

  ――どんな勝敗で挑戦者が決まりそうですか。

  趙 全勝優勝は厳しいでしょう。

  石田 この顔ぶれのなかでは1敗で乗り切るのもしんどい。6勝2敗のプレーオフだと思う。

  井澤 8月の最終局に羽根―井山戦がある。井山さんは本命ですが、ここで羽根さんが勝てば……。

  趙 最後にドラマがあるかもね。
(構成・伊藤衆生)

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