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 これまでに何度か、指導碁を受けたことがある。プロ棋士に教わっていつも感じるのは次元の違い。視点、構想、判断力、どんな場面でも数歩、いや数十歩は先行されていたように思う。いろいろアドバイスをもらった中で特に印象的だったのは序盤、中盤でのポイントのつかみ方。棋士は意外にも、盤上を大雑把に捉えていた。

 本局では黒19の時点ですでにポイントになる箇所が現れている。お分かりだろうか。解説の林漢傑七段の見立ては単純で、そして明快だ。

 「上辺の白三子は強いのか弱いのか。この一点です」

 最初から流れを追ってみよう。黒5まではアマチュアの間でもいまだにはやっている布陣。白6のハサミを無視して黒7にシマるのもよく見かける趣向だ。黄の白8、10は黒の手抜きをとがめる最もオーソドックスな手法。黒11、13と頭を出せば白14と左辺を囲いにいく。地だけに注目すれば、白がかなり稼いでいる。

 結城は黒15で白の中央進出にストップをかけ、攻めによって地のマイナスを補うつもりだ。白16の補強を待ち黒17が予定の行動。白18に対しても黒15、17を意識すれば19が当然の戦略だ。

 さあ、ここから右下で接触戦が始まる。もちろん、その分かれの評価には上辺白が大きく影響する。

(松浦孝仁)

 消費 黒:1時間7分 白:1時間7分 (持時間各5時間)

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