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 小目には向きがあるので配置などに個性が出やすい。白2と黒3の組み合わせは、戦いになりやすいといわれる「ケンカ小目」だ。

 ケンカ小目は世界戦で中国、韓国勢に避けられているそうだ。戦いに強いイメージがあるので意外だが、「小目の研究は日本が進んでいるので、日本勢相手にはまず打ってきません」と解説の蘇耀国八段。序盤研究において、日本がまさっているものがあったのだ。

 黒7までの配石で、白8と小ゲイマにカカった羽根の一手が珍しい。よくあるのは白Aの一間高ガカリ。河野は白Aに黒8、白24、黒13、白B、黒Cとヒラく布石を愛用している。羽根は河野の得意な形を避けた。

 午前中は白14のカケまで。優劣はついていないだろうが、記者室では石田秀芳二十四世本因坊や片岡聡九段が「カケが打てて、白の感じがいいなあ」などと話していた。

 白は18と肩をつき、黒19を誘って白20とトブ。じっと力をためた黒21の引きがいかにも河野らしい。

 河野は棋士仲間から「部長」と呼ばれている。10代の頃から性格が大人っぽく、落ち着いていたことからついたニックネーム。人柄と棋風が共通しているように感じる。「21を黒22と押すのは先の見えない戦いになりそうです」と蘇解説者。

 白30とノビられたところで、河野の手が止まった。

(内藤由起子)

 消費 黒:1時間25分 白:1時間53分 (持時間各5時間)

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