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 名局や好局についてどんなイメージをお持ちだろうか。コミのなかった時代は、黒を持ったら堅実を心がけ、白なら趣向をこらし、何よりも悪手のないのが一番とされた。現代は考え方が大きく変わった。多少の悪手はあってもそれを補う妙手好手が飛び出し、なおかつ見る者を熱くさせる碁が高い評価を受けるようになったと書いて、まとはずれではあるまい。

 さて本局はどうか。名局、好局、普通、拙局と大ざっぱに分類して、いずれに当てはまるか、進行を追いながら考えていただけたらと思う。

 前々局の結城聡―黄翊祖戦、前局の河野臨―羽根直樹戦と同じく多くの棋士の打ちぞめだった1月9日の対局。張は昨年12月の第1ラウンドが手あきだったので、リーグも打ちぞめである。

 ケンカ小目に、先に白4と二間に高くカカり、黒が手抜きして白6とツケる型から始まって、いきなり珍しい定石が現れた。名人戦リーグでは初めてだが、解説担当の林海峰名誉天元は「黒27までは10年ほど前に何局か打たれたと記憶しています。白12で単に14と出る定石も一局だし、白20で24とアテ、黒Aを許すのもある。このへんは好みによっていろいろです」という。

 村川の実利、張の厚みの序盤。名局か、そうでないか、判断する材料はまだ何もない。

(春秋子)

 消費 黒:20分 白:7分 (持時間各5時間)

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