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 2敗者同士の対戦。より気が重いのは結城だろうか。名人戦リーグの対局になるとどうにも調子が出ない。

 第35、36期は挑戦権を争う活躍を見せたものの、37期は8戦全敗でリーグ落ち。38期も開幕から6連敗し、早々に陥落が決まった。そして今期も連敗スタートだ。しかし、これは結城の力が足りないのではない。リーグから落ちてもすぐに戻ってくるのは地力がある証拠だ。リーグ入りのかかる最終予選を勝ち抜くのは、タイトルを取るよりも難しい、などといわれることもあるのだから。

 さらに早碁のNHK杯では2009~13の5年間で4度の優勝。まさに圧倒的な強さを誇っている。井山裕太名人の七冠独占の夢を阻んでいるのも彼だ。

 「NHKのスタジオに行くと、負けた記憶が少ないから勝てる気がしてくる」と結城は冗談めかして自己分析するが、さて、成績の波にはどんな理由が潜んでいるのか。本局からこの不思議な現象を解き明かしてみたい。

 名古屋の日本棋院中部総本部での対局。学校のチャイムにそっくりな音色が開始の合図だ。左上でさっそく目新しい形が現れた。

 「白14は、白15にハネ出して黒14、白A、黒B、白C、黒16、白Dがよくある進行。思い切った趣向と思います」と解説の張豊猷八段。羽根はこの工夫に連敗脱出のきっかけを求めたか。

(松浦孝仁)

 消費 黒:1時間8分 白:1時間11分 (持時間各5時間)

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