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 日本の囲碁界の歴史は呉清源、林海峰、趙治勲といった海外からの才能抜きには語れない。42歳の柳時熏、34歳の張栩もそうだ。

 柳が韓国から来日したのは1986年、14歳のとき。88年入段、94年に23歳で天元を奪取。入段から6年8カ月での七大タイトル獲得は六冠王の井山裕太でさえ抜くことのできなかった史上最速記録だ。96年には天元、王座の二冠となった。

 しかしビッグタイトル獲得は2000年、28歳での天元復位が最後になっている。名人戦リーグは11期ぶりの参戦。大げさに書けば、失われた30代を取り戻すための挑戦だ。

 今世紀に入って最も活躍した海外出身棋士が張である。10歳で来日、14歳で入段。2003年の本因坊獲得から、昨年、井山に棋聖を奪われるまでの約10年にわたり、無冠になることがなかった。七冠通算制覇(グランドスラム)や史上初の五冠などを達成し、第一人者と呼ばれた。その座を井山から取り戻すとすれば、ここ数年が勝負となろう。

 両者、開幕2連勝をかけた一戦だった。

 一風変わった白6までの布石。柳はぜいたくにも黒7のカカリに51分を費やす。黒13に22分、黒15に21分。柳は、答えのない部分に納得いくまで時間をかけるタイプのようだ。一方の張は快速。消費時間の差はあっというまに2時間近くになった。

(伊藤衆生)

 消費 黒:2時間5分 白:18分 (持時間各5時間)

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